仕事上で「ベルヌーイの定理」を利用した風速計を扱っていますが、いまいち
理解が出来ません。自身で色々と調べては見たのですが全く判らず仕舞いでして。
よどみ点ってなに?静圧って?と頭を悩ましております。ここにはこのような
分野に詳しい方が大勢いらっしゃると思いますで申し訳ないですがド素人にも
判るように、砕いてご教授いただけないでしょうか?
(このカテにスレッド建立は初めてなので、スレ違いならご容赦下さい)
ちなみ自身が調べ、理解したかったのは「多穴式ピトー管」と呼ばれる
風速計の原理です。どうかよろしくお願いいたします。
14件のコメント 1番から14番を表示中
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ぜんぜん専門家じゃないので、怪しいかもしれないですけど。
たとえば、いま壁に向かって息を吹いて
→→→→→|
のようにすると、壁には圧力が加わります。
それは、壁までは自然に流れていた空気が壁においてぶつかって
「よどんで」しまうからです。
このような点が、「よどみ点」です。
ピトー管の場合、先端が細くなっているので、
→→→→→—
このように風がぶつかったときに先端ではよどむことになります。
そこで、この先端の部分から先の内部には圧力が加わるわけです。
※普段から空気がある場所には大気圧が加わっていますが、
この場合は大気圧に加えてさらに別の圧力が加わります。
この圧力は、当然のごとく風の速さと関係しますが、
風の速さと圧力の関係を、簡単なモデルから考察します。
まず、
→→→→→|
を思い出します。
このとき、これを風じゃなくてボールがぶつかっていると考えてみます。
ボールのぶつかる前の速さをvとし、ボールの質量をmとすれば、
ボールのぶつかる前の運動エネルギーはmv^2/2(=mvv/2)です。
今の空気のモデルの場合は、空気がよどむときには、その「点」での速度は0になります。
もちろん実際には0ではなくて微弱な速度であるとも考えられるでしょうが、
空気がぶつかる点では0と考えても差し支えないでしょう。
そこで、このmv^2/2というエネルギーのすべてが壁にぶつけられたとします。
いま、ボールのモデルを離れて空気の場合に戻って考えると、
空気の場合は質量mの変わりに、単位体積あたりの質量である密度を用いて、
大きさがx×x×xの立方体の空気の塊が壁に与えるエネルギーは
ρv^2x^3/2と書けます。
ここで、空気の塊が横にx進む間に、
壁に対してρv^2x^3/2のエネルギーを与えると考えると、
空気の塊がx進むときに平均的に加わっている力は
(ρv^2x^3/2)/x=ρv^2x^2/2
です。
※エネルギーは力×距離の次元を持つので、エネルギーを距離で割ると力の次元になります。
さらに、これを、空気の塊が壁にぶつかる面積のx^2で割ってやって圧力を計算すると、
(ρv^2x^2/2)/x^2=ρv^2/2
となります。
※力を面積で割ると、圧力になります。
したがって、先端のよどみ点では、普段の圧力に加えて
ρv^2/2という余計な圧力が加わることになります。
そこで、全体の圧力Pと普段の圧力P_sを測定して、その差をとると、
P-P_s=ρv^2/2
という関係がなりたつので、これからvを計算できることになります。
ベルヌーイの定理とは、今用いた
P-P_s=ρv^2/2
に相当する式のことで、ある流線におけるエネルギー保存に相当します。
http://www.kanomax.co.jp/e0002.html
普段の圧力が静圧でP_s、全体の圧力が全圧でPです。
多穴式の場合は、静圧を測定するために
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%88%E3%83%BC%E7%AE%A1
みたいな構造になっているようです。
>先端が細くなっているので
先端の空気を取り入れる部分が細くなっているので
ですね。
>>0
普段意識することはありませんが、我々の体は、いつも空気に取り囲まれています。
そして、常時、空気から圧力を受けています。
海水面付近では、およそ1気圧の圧力です。
もちろん、山に登ったり、飛行機で空へ舞い上がったりすれば、空気が薄くなりますから、空気から受ける圧力も下がります。
大雑把な言い方になりますが、この大気圧が「静圧」だとお考え下さい。
ところで、空気が動きますと、空気から受ける圧力も変化します。
風の圧力は体感できますよね?
帆船では、風の圧力を利用して船を動かしています。
風が流れる方向に立ちふさがる面にかかる圧力は増加します。
そして、ここが肝心な点なのですが、風が流れる方向と同じ向きの面にかかる圧力は減少するのです。
砂時計のガラス管のように、途中がくびれた管があるとします。
管の内部の空気が静止している場合、管の内側の壁には一様に一気圧の圧力が掛ります。
ところが、内部の空気が流れますと、管の内壁に掛る圧力は下がります。
くびれた部分に掛る圧力低下は、とりわけ大きくなります。
くびれた部分を通過する時、空気の速度が大きくなるのが、その理由です。
逆を言えば、この圧力の下がり具合から、空気の速度を計算できるのです。
これが、ピトー管で気体の流速を測定することができる原理なのです。
計算にあたっては、ベルヌーイの定理を利用します。
初心者向けに、わかりやすく説明しました。
そのため、厳密性に欠ける点があることは、申し添えておきます。
詳しくは下記HPをご覧下さい。よくまとまっていると思いますので。
https://www.nikkiso.co.jp/c_seihin/industrial/sangyo/flowmeter/DPFlowmeterTheory.htm
>>4
あんまり適当なことは言わないほうが…
>逆を言えば、この圧力の下がり具合から、空気の速度を計算できるのです。
>これが、ピトー管で気体の流速を測定することができる原理なのです。
ピトー管の場合は、全圧がよどみ点での圧力で、
圧力が増加していることを利用します。
僕は最初は普通にベルヌーイの定理を説明しようと思ったのです。
しかし、ベルヌーイの定理はひとつの流線にそったエネルギー保存であって、
流速が速くなると圧力が低くなるというのはあくまでもひとつの流線の場合にすぎず、
この場合、かえって無駄に混乱します。実際、あなたは勘違いしているように思います。
帆船乗りの僕は、帆船の力学を理解したかったので
専門家ではありませんがそれなりに勉強したつもりです。
ちなみに、僕がした説明をひとつの流線にそって展開することで、
ベルヌーイの定理(のポテンシャルのないバージョン)を得ることができます。
別に立方体にとる必要はなくて、x×y×zの直方体で十分ですね。
といいつつ、僕もかなり適当なことを言っていますね。
多穴式は静圧測定というより全圧測定の問題かも。
http://ibis.mach.me.ynu.ac.jp/matsui/Lecture/FD1/sec2/2-4.html
に写真つきで載っています。
>>5
だからさ、初心者にわかりやすく説明するために、あえて厳密さは犠牲にしたと断り書きを書いたんだがな。
量子のところの君の書き込みをみてもわかるんだが、君は厳密性・正確性にこだわるあまり、初心者に対するわかりやすさというものを軽視し過ぎている。
俺に言わせりゃア、君は「簡単なことを難しく説明する天才」だよ。
肝心の質問者がどのレベルか判りませんからね。
仕事で関わってると言ってますから、
全くの初心者扱いするのもちょっと違うのでは?
>>7
いや、厳密かどうかなんていう話ではなくて(実際>>1 も厳密な話ではありませんが)、
単純に間違っている、と言っているんですけど。
>>4 の説明は、ピトー管の説明としては、不適切ですよ。
ベンチュリ管ならその説明で結構ですが。
sunsarさん、ヤンガスさんご丁寧なご回答ありがたく思います。
返事が遅れてすいません。謎の頭痛に悩まされてまして。先ほど
少しマシになったので拝見させていただきました。
>sunsarさん
ボールでの説明でよどみ点とは一体どうゆう物なのか?というのが
大雑把ではありますが理解できました。流れている流体が何らかの
物体に接触、もしくは抵抗を受けたときその場所がよどみ点と
呼ばれる場所であり、その流体の流れが限りなく0に近づく、
または0になる。ということは理解が出来ました。これがよどみ点
と呼ばれるものなんですね。ただ、その後の数式ははっきりいって
ちんぷんかんぷんでしたwwwせっかくご提示いただいたのに申し訳
ございません。
>ヤンガスさん
>>大雑把な言い方になりますが、この大気圧が「静圧」だとお考え下さい。
物体に圧力が均等に掛かっている状態を静圧な状態だと理解してもよろしいんでしょうか?ヤンガスさんがご説明の中で例として挙げて頂いている「砂時計」で砂時計内の流体が動いてないときはその全てが静圧状態にあり、各内壁には均等の圧力が掛かっている状態だが、これが流れ出したときに広い場所での内壁に掛かる圧力、流体の流れと、狭い場所に掛かる内壁の圧力と流体の流れの差を測定することにより流体の速度を計ることが出来ると理解してよろしいんでしょうか?もし勘違いして理解していたなら申し訳ないです。
>コボ朗さん
>>仕事で関わってると言ってますから
関わっていると言いましても、ピトー管に触れたことがある。といった程度ですのでほぼ素人と変わりないです。計測器を点検、清掃したときに上司に原理を尋ねたときその上司も原理はしらね。という状態でして。で、気になったので自身で色々調べては見たのですが、今までに触れることの無い世界だったので、ここの方々にご教授していただけたら、とスレを立ち上げた次第です。
>>10
原理的には、この場合数式はそこまで重要ではないです。
エネルギーが圧力として表現されるということと、
向かい風を受けると圧力が増えるということから、
計算をすることができるということです。
ヤンガスさんの話については、それで正しくて、
実際にそれを利用した流速計もあります。
しかし、これはベンチュリ管といわれるもので、
ピトー管とは少し質が違います。
>>10
その通りです。
ご理解いただけて、うれしく思います。
厳密に言えば、sunsar氏が言うように、ベンチュリ管とピトー管との違いはありますが、利用している物理法則の基本となっている現象については、ご理解いただけたものと思います。
>>4
>風が流れる方向に立ちふさがる面にかかる圧力は増加します。
>そして、ここが肝心な点なのですが、風が流れる方向と同じ向きの面にかかる圧力は減少するのです。
「立ちふさがる面にかかる圧力は増加」を使って流速を測るのがピトー管、
「同じ向きの面にかかる圧力は減少」を使って流速を測るのがベンチュリ管で、
それぞれの原理は、>>1 と>>4 の説明どおりです。
ベルヌイの定理は、流体力学の基本的な定理のひとつですから
流体に起こる様々な現象の説明に現れますが、
ピトー管とベンチュリ管は、器械としては全く別のものです。
↓両者の比較
http://www.eco.zaq.jp/env_univ/bernoulli_oyo.html
レスが遅くなりすいません。ここで教えて頂いたことを会社で伝えたところ、非常に判りやすく、理解が出来たと好評でした。皆様に大変感謝をしています。ありがとうございました。