タイトルどおり発展するけど貧富の差が広がって景気不景気がある資本主義となかなか発展しにくくて誰かが独裁者になる危険性があるがうまくやればみんな平等になる社会主義のどちらがいいか語り合うスレです。
>>10
そもそも、マルクスは経済学ではなくて、経済学批判であり、しかもマルクスにとって経済学は、近代市民社会の成立と展開について歴史認識を得るための基礎理論だった。
古典経済学思想について、それが歴史的視点を欠いて、ある一時代の経済状況をある一階級の視点から見て、勝手に普遍化しようとしたものというのが、マルクスの言い分。
たとえば、アダム・スミスであれば、イギリスの産業革命期(資本主義経済の確立期)において、資本家に上昇する可能性に開かれていた独立生産者の立場に立って、経済社会を見、独立生産者が勤勉と節約によって、資本家へとなれる、逆に、勤勉と節約の徳を喪失した資本家は、転落する、といった社会的対流現象がきわめて活発だった一時期の経済を、永続するものと見誤った。しかし、スミス自身のロジックを厳密に展開していくなら、そうならないだろう、ということを示そうとしたのがマルクス。
マル経に数学をもちこんで、近代経済学の向こうを張ろうとした経済学者もいるけれど、そもそもが勘違い。近代経済学のフィールドで、やりあえるようなものではない。
最初から、最後まで、経済学の主流になるようなものではないと思う。むしろ、いわゆる経済学の歴史を展望し、経済学自体が、歴史の変遷と共に衰亡することを展望していたのが、おもいのほかしぶとい資本主義の長生き状況の中で、展望がすっかりはずれて、どうしようもなくなっているのでは。
マルクスがいまなお、学ぶに値する可能性があるとしたら、マルクスの思考に追走することによって、自分自身の考え(思いこみや固定観念や先入見など)について改めて批判的に自己了解するためのたたき台にすることではないかな。